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2015.01.23

想いを紡ぐ

いろいろな分野でプロフェッショナルがいます。
昨夜日付けは変わって深夜3:00から「かけつぎ職人」を取材したテレビ番組を見ました。
私はこれまで「かけつぎ」を耳にしたことがなかったのですが、洋服等の破れや穴の修繕を行うプロの方のお話しで、仕事に対する真剣さやお客様や物に対する愛が感じられました。

「かけつぎ」のお仕事を少しご説明すると、ビリビリに破れた服を直すために、まず同じ糸が必要であり、洋服の目立たない部分(例えばポケットなど)で利用できる糸を探します。そしてそれを一本ずつ取り出し、破れたところに一本一本同じ力加減で縫い合わせ、光沢の加工が施されている場合には1ミリにも満たない糸の面を揃えて縫い合わせるのです。息を止めて真剣に施されている姿は目を見張るものがありました。

その職人さんは、“物には命がある”“ここは病院のような場所である”とおっしゃっていました。修繕がおわると“今日も元気に退院していきました”とにっこり笑って洋服を送り出しておられました。こういう想いでお仕事をされている方がいると思うと、私は衝動的に洋服を買っては着なくなって捨てるのはもうやめようと思いました。

このお話しで最も印象的だったのは、7箇所にわたって破れ、大きく穴の空いたカーディガンの修繕依頼でした。損傷がひどい場合は修繕に使える糸が足りず直すのはかなり困難なのです。修理費用は38,000円でした。職人さんは“38,000円も出したら新しく良いものが買えるけど、それだけの費用がかかっても修繕してほしいということは何か特別な想いがあるのだろう”と、ご依頼者の想いを受け止めその期待に応えるべく試行錯誤して修繕をなされていました。糸を探しに出かけても、数十年前のカーディガンのため同じ素材で同じ色の糸は見つからず、“こうゆうときの虎の子”と職人さんがこれまでに修繕してきて余った糸を貯めている瓶を取り出し、そこから限りなく近い色の糸を探し出して、修繕にあてていました。それはその職人さんの半世紀にわたる経験の賜物でした。プロとは経験の積み重ねで築き上げられます。職人さんの技術は申し分ない上に虎の子がでてきたとき経験が何にも勝るすばらしい力だと思いました。普通であれば、なしえない事を目の当たりにして感心しました。

さらに職人さんはただご依頼のあった修繕箇所を直すだけではなく、“なぜ左側だけがこんなにやぶれるのだろう”と考え修繕箇所の周りの補強(頼まれていないが)もなされていました。実は、職人さんは知らないのですが、ご依頼の方はご病気のため左側しか使えないためによく使う手首や肘のあたりがよく破れていたのです。まさに「想いを紡ぐ」仕事でした。

 経験を積むこと、お客様の思いを汲み取ることは、どんな仕事にも通じるものだと思い、自分自身いろいろと考えさせられるお話しでした。私は、今年も一年しっかりと経験を積み、お客様の思いを考え受け止めながら、日々成長に努めたいと思います。

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