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2016.05.26

黒字化の落とし穴からの脱出

おはようございます。
この数週間で弊社代表の書籍「一年で黒字を実現する赤字企業再建術」より
何件もお問い合わせや個別のご相談のお申し込みが入りました。
書籍発行から5年経ちましたが、さらに弊社では黒字を実現するための
手法をお届けすべく日々邁進しております。

そこで前述しました書籍事例でもご紹介させて頂きました、あるお客様の書籍発行から5年後について少し記述させて頂いております。

事例:金属製品製造業 A実業株式会社(仮名)

黒字化に成功したものの、
限界利益率を下回る仕事を取って赤字に転落。
通年利益を吹き飛ばした会社。

(状況)
 A実業株式会社は社歴40年の老舗企業で、年商は約30億円。建築関係の金属製品の製造を手がけ、バブル時代に大躍進した会社です。大手ゼネコンや大手ハウスメーカーを取引先に持ち、公共工事も行うなど、安定した経営を続けていました。
ところがバブルが弾け、世代交代で経営者が二代目に代わり、業績が低迷し始めました。増大した固定費が利益を圧迫していたのが主な原因です。
好景気の波に乗って業績好調を続けてきた会社というのは、一般に経費の感覚が麻痺し、ぶくぶくとコストが膨らんでいくものです。同社も例にもれず、経営者も従業員も経費の引き締め意識が薄く、固定費が増大していたのです。
加えて、バブル崩壊による景気低迷で売上が下がり、利益が目減りしたことで年間約5千万円の赤字を計上。その結果、借入金の返済が苦しくなり、当社に支援の依頼が来たのです。

(方法)
 まず金融機関に返済猶予をお願いし、その間に固定費の引き締めを行いました。具体的には、削減可能経費と、削減不可能経費にわけ、削減できるコストの引き締めを徹底したのです。たとえば同社の場合、接待交際費や旅費交通費、通信費、水道光熱費、製造現場の消耗品などの固定費が削減可能経費に挙がりました。これらの固定費の削減に徹したのです。
 同時に手を打ったのが意識改革です。長年、好業績を維持してきた老舗企業だけに、同社の従業員の方々は、売上が低迷している状況にもかかわらず危機感が薄く、逆になぜか安心感を持っていました。さらに、経営者はバブル絶頂期を知っている二代目で、羽振りのよかった時代を知っているため、なかなか企業の肥満体質に危機感を抱くことができていませんでした。そこで経営者と従業員に対して、経費の使い方についての意識喚起を図ったのです。
 こうして経費削減の次に行ったのが、

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利益率改善です。売上は横ばいで充分なので、固定費は増やさず、限界利益率を絶対に下げないように受注をしていくことを決め、さらに限界利益率を高めるために受注分野の構成を見直し、注力すべき受注分野を決めました。と経営者に伝えました。同社の取引先全体における限界利益率は約20%でした。その率を下回る仕事を受注しないようにしたのです。
 こうして固定費削減と利益率の改善を図った結果、改善後後すぐに黒字になり、単月で500万円の利益を計上。そして1年後には約3千万円の黒字に転換することに成功したのです。

※売上高から変動費だけを差し引いた限界利益を売上高で割ったものを限界利益率と言います。

(その後)
 固定費削減と利益率改善を継続していった結果、3年後には約一億円の内部留保をつくることができました。返済猶予に関しては、利益が出始めてからは少しずつ返済を再開しました。金融機関には「リスケジュールのモデルケース」とまでいわれ、銀行内部の資料に事例として掲載されたほどです。
 ところが落とし穴がありました。当社のコンサルティングが終了したあと、経営者が利益率を無視した売上拡大を行ってしまったのです。大型受注案件の仕事が舞い込み、限界利益率20%を下回る案件であったにもかかわらず、受注してしまったのです。それ以降も、下がった利益を確保するために売上拡大に走り、利益率を下回る仕事の受注を繰り返してしまいました。
 その結果どうなったか。利益率を押し下げる結果になったことに加え、売上を急拡大したことで仕事量が急激に増え、残業代が膨れ上がり、生産効率も低下してしまいました。固定もが増加し、利益率がドンドン下がり、ついには赤字に転落してしまったのです。そして3年がかりで蓄積した約1億円の内部留保を4ヶ月足らずで吹き飛ばしてしまいました。

(さらにそれから5年後)
 2011年書籍を発行したころ当社が改めて会社再建に入り、固定費削減と利益率改善を一からやり直し利益率を意識した受注を重視することで、実行されたことは
・製品の利益率の高い顧客・仕事の選択
・品質の向上のため、新規ルートでの目標をつくり開拓を進める
・利益中心の受注 など

ほんの一部分ですがこの数年の間に各改善点ごとの目標→進捗状況の確認→ゴールがぶれていれば修正を繰り返し続けた結果5年後の現在・・・限界利益率は20%→39.9%となり内部留保もほぼ取り戻すことができました。これからは、さらに利益を追求するために部門別採算性管理を進めて行く予定です。

私どもでは何件ものお客様が部門別採算性管理を進めていらっしゃいます。
もし部門別採算性管理・会社再建・マーケティングについてもメルマガなどでご紹介させて頂いております、
ご興味がございましたら是非下記URLまでお問い合わせを頂けますようお願いいたします。

http://krbcg.co.jp/info/mm.html

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