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2018.10.22

後継者育成と組織作りを失敗すると

おはようございます。
KRBコンサルタンツの椢原です。

前回のメルマガで「何歳ですか?」というタイトルでお送りしたところ、多くの方から「何歳ですよ」とご返事をいただきました。
メールにもかかわらず、LINEのようにすぐに多くの方からご返事をいただき、とても嬉しい気持ちになりました。
ご返事をくださった皆さん、メルマガを読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

今日は少し残念な話です。

私が独立をして、しばらくしてから10年程度クライアントとしてお付き合いをしていただいた印刷会社がありました。
ちょうど、お付き合いが始まってほぼ7年くらい経ったときだったと思いますが。
ご長男を後継者として入社させたあと、すぐに役員としての役職を与え、現場と営業の仕事を覚えさせようと社長はされていました。
具体的な仕事のさせ方としては、第一線で仕事をさせるのではなく、現場や営業それぞれの管理者として仕事を覚えさせようという方法です。
現場にも、営業にも、社歴の長いかつ役職を持っている社員もいますので、表面的には社長の息子さんを受け入れても、会議や会議後の雑談のときの彼らの顔を見ると、今ひとつ納得がいっていないような感じがありました。

当たり前のことですが、事業を興して軌道に乗せるということは並大抵のことではありません。ですので、会社を創業された全員といってもいいと思いますが、創業社長は、社員の誰よりも猛烈に働き、24時間、土日もなく毎日仕事のことを考える日々が続いていたはずです。
そういう努力があって、会社は軌道に乗り、社員も安心して社長のついて行こうと思ってくれたはずです。

ところが、自分が苦しい中をやってきた社長の中には、自分の息子や娘、後継者にはそういう苦労をさせたくないという気持ちが出てしまい、「社員よりも働く」「社員よりも苦労する」ということを、後を継がせようとする人に強く要求しない、本人任せにするというようなことがあったりします。

実は、このクライアントもそういう状況になりました。
これではまずいと思い、私から息子さんに、「社員の誰よりも一所懸命働くことを自分に課して欲しい」
具体的には、
・一番早く来て、一番遅く帰ること
・社員が嫌がることを進んでやること
・車通勤せずに電車でくること
・人に指示して、その報告をもらう管理の仕方をまだしてはいけないということ
・仮に指示をしたとしても、一緒にやる、教えてもらうこと
・自分のお金で社員と食事、飲み会にいくこと=絶対に経費にしない、領収書をもらったりしないこと
という話をしました。
私の事務所に来てもらって話をし、社長との打ち合わせの際にも話をするなど、何度かこういう話をしました。
が、その後継者の方は、私に少しうるさいことを言われたと思われたみたいで、社長も後継者の方に強く言えず、結局あまり実行されないまま時間が過ぎ、私は私で、3カ月に一度程度、後継者としての意識と行動について話をするということをやっていました。

その後、社員の中から、後継者の行動について文句が出るようになり、しばらくしてその文句を言った社員が社長から注意され、結果その社員が辞め、その後、営業担当者や現場の責任者も辞めるなど、少しずつ社員が辞めていくという状況になってしまいました。

この間、社長と私も何度も話し合いを行い、後継者の仕事の仕方や立場などを見直すことを決め、社長がそうしようと動いても、結局、社長が後継者に対し、強く指導し、押し切ることができず元に戻るなど、後継者の意識や行動もあまり変わらない中、後継者が知り合いのコンサルタントと税理士を連れてきたことから、弊社との契約も終了することになってしまいました。

その後、何度か社長から相談したいということでお会いしたりはしていましたが、結局、何も新たな行動をすることができず、残念なことに、今年、破産申し立てをしたことをニュースで知りました。直前には、長年勤めた営業担当の役員も愛想を尽かして退職し、その後、次々に社員が退職したそうです。
また、売上の減少に対し、資金繰りのための借入をするために数年前から粉飾決算をしており、本来であればリスケをして資金繰りを乗り切る方針で行くべきところを、支出を止めるのではなく、調達で資金繰りを回そうとして調達できず、最終的に破綻したという状況です。

・後継者の育て方のミス
・後継者に対する社長の甘さと後継者の甘え
・公平感と納得感のある組織運営ができなかったこと
・社歴のある会社ということで取引先や金融機関へのプライドが邪魔をして、リスケに踏み切れなかった

いろいろ原因はあるように思いますが、私は、厳しい言い方ですが、やはり経営者で会社は変わりもし、潰れもするということだと思います。

ここ10年近くの再建や再生の現場で数多くの会社と社長を見てきましたが、経営者の心ひとつが、全てを左右するということを目の当たりにしてきました。

目先のこともとても大事ですが、目先の利益をいくら出したところで、潰れる会社は潰れてしまいます。
目先だけの利益ではなく、利益は出し続けなければいけないのです。
利益を題し続けてこそ、会社は存続できます。

では、利益を出し続けるために、御社で大事なことは何でしょうか?

・新商品の開発や発掘、商品力の強化
・新規開拓や営業力の強化
・売上のアップ
・人員の確保
・拠点の拡大
・新たな販路の開拓
・社員の能力アップ、人材育成    など

いろいろな意見があると思いますが、これら会社の重要戦略を実行するのは「組織」です。「人」です。
そして、これらのことが「仕組み」として、目に見えることが必要です。

よくよく考えてみると、これは事業承継をするためにも必要なことです。
事業承継ができる会社は、利益を出し続けられる会社であるということと同じなんですね。

実は、こういうことはどの会社でもおきうる可能性があります。

一番の間違いは、事業承継をどう進めるかを考えずに息子さんを入社させ、そのあとにも今後のその息子さんの育成と事業承継について、本人と話し合って明確にせず、曖昧なままで進めてしまったことです。

やはり、「計画は大事」だということです。
計画は立てるプロセスに価値があります。
立てれば良いというものではないということです。

もう一つは、「曖昧排除」です。
先送りはしない。
なにごとも結論を出す。
その結論は明確にする。

是非、今日から実践してみませんか。

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