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【事例】銀行から見放されそうになった会社 2022.06.11

最近、銀行の対応が変化していることに気づいていますか。

 

コロナ融資を受けた会社の返済が始まる中で、返済できない会社が徐々に増えており、その経営者の経営の仕方を疑問視し、厳しい対応が増えてきています。

 

どういうことか、事例を通じてお伝えしたいと思います。

 

有名な会社なので、業種も地域も伏せます。

20億あった売り上げが、コロナの影響を受けて半減し、この間、資金をつなぐために保証協会付きのコロナ融資や公庫のコロナ融資で多額の資金を借り入れました。

コロナの感染者数が増減を繰り返し、緊急事態宣言なども発出されました。

このような状況下で、思い切った事業縮小や固定費削減ではなく、今まで同様売り上げ確保にこだわり、今まではネットでの販売をしていなかったことから、ネットを使った売上確保に資金を投下しました。ネットでの販売システム開発などです。

さらに、固定費の削減をほとんど行わずにきたことで、借りたお金は毎月の赤字の補填、すなわち固定費の支払に充てられてきました。

顧客動向などの外部環境の変化や競合動向、商品力などを考えずに始めたネット販売など、売り上げを確保するための新たな取り組みはどれもうまくいかず、多額のコロナ借り入れ資金は、赤字補填でほぼ使い切り、資金の枯渇が数カ月後に見えたことで、リスケ要請に至りました。

このリスケ要請から弊社が関与し、1年で黒字化再建を目指して改善を進めています。

 

問題が起きたのは、リスケ要請のために全行を訪問したときのことです。

 

メイン、サブメインともに、この会社に対してコロナ以前から相当な支援を行ってきた経緯があります。

今回の要請時にメインやサブメインが経営者に言った言葉は、

「あれだけ多額の融資を何に使ったのか!

ここに至るまで、御社は何の努力をしてきたのか。

いずれリスケ要請の可能性があるとは考えていたが、多額の借り入れ後、半年でリスケになるとは思ってもみなかった。

資金繰り管理、財務管理は、一見できているようだが、どれも借り入れ頼み。

各事業や部門の採算性管理はできていない。

経営判断、意思決定が間違っていたのではないか。

御社にガバナンスが効いてるのかどうかも疑問だ。

コロナになって環境が大きく変わっている時に、御社がやっていることは売り上げの確保ばかりで、結果、赤字計上を続け、さらにはリスケ。

このような経営を続けてきた責任を経営陣はどう取るつもりなのか。

われわれにはリスケを要請し、社長や経営陣は、どういう責任の取り方をし、今後はどう改善をしていくのか。

コロナで資金繰りが苦しくなったので返済を止めて欲しいと言われても、簡単には納得できない。

再建できるかどうかもわからない会社を支援することはできない!」

という内容でした。

 

ここに至る経緯を考えると銀行の言うことは至極当たり前だと思います。しかし、経営陣は、「こうなった原因はコロナであって、コロナによってこんなことになってしまった。コロナがなければこうはなっていなかった。自分たちの経営方針、考え方、取り組みは間違っていない」という意見です。

 

 

皆さんは、どう思いますか?

 

 

これは2つの観点から考えないといけません。

一つは、元々この会社に存在していた問題点が、コロナによって売り上げが下がったことで見えてきた、顕在化したということです。

 

・売上を上げること、新たな仕事を獲得すること、事業を押し進めることを重要し、資金繰りは足らなくなれば借り入れに頼れば良いという銀行依存の資金繰り。

・公認会計士、コンサルタントが関与し、外部役員にも会計士やVCの人が入っているが、目立つ会社に群がって報酬と今後の利益を狙っているだけで何の役にも立っていないという事実。

・数値管理もやってはいるが、改善をするためのものではなく、銀行に見せるためのもので、計画実績管理も不十分。

IPOを当面の目標にしていることから、耳ざわりの良い言葉が飛び交うが、中身が全く伴っていない。

・経営陣がバラバラで、さらに意思決定プロセスも不透明。

・ガバナンスが効いていないことから、責任の所在が曖昧。

 

これらは、売り上げが上がっていて、それなりに利益が出ている時には問題として気づかず、売り上げが減り、経営が苦しくなって初めて気づくものです。

この会社の場合は、様々な問題が顕在化したにもかかわらず、まだそれに気づけない状況でした。

 

 

もう一つは、利益というものの本当の構造を知らずに、売り上げを上げることが利益を増やすことだと間違った捉え方をし、それが売り上げ偏重主義経営を推し進めてきたということです。

売り上げと利益は、比例していると考えて、売り上げを上げれば利益は増えるものと思い込み、売り上げを伸ばす施策ばかりに取り組むことになってしまったのです。

 

 

やはり大事なのは、経営者の経営能力であり、思考の柔軟性だなと感じています。

 

リスケになってから会社の悪い点に気づくのではなく、普段から経営ということに真摯に向き合わなければならないと思います。

目先の売り上げのことだけに終始していては経営をしているとは言えません。

金融機関との取引は、ある意味、会社にとって悪い点や注意しなければならないことを教えてくれる側面と言えます。

 

 

「会社は存続してなんぼ」です。

存続してこそ価値があるのです。

今、いくら利益が出ていても、それは3年後の利益を保証してくれるものではありません。

 

われわれ経営者は、経営能力を伸ばす努力を怠ってはいけません。

われわれのミスジャッジで会社は簡単に傾いてしまうからです。

経営スキルを常に高め、環境の変化に適応できる柔軟な経営を行っていきましょう!

 

 

 

このような事例を使って、

6月24日(金)13時から

『銀行交渉研究会』をオンラインで行います。

 

  • コロナ融資をすでに受けているが、今後の融資をどう取り付けていけばいいか。
  • リスケをしているが、銀行からの融資を受けるにはどうすればいいか。

 

など、特に今回は、融資についていろいろ考えてみたいと思っています。

 

単に銀行との交渉手法ではなく、経営の根本的なところまで踏み込んでいくつもりです。

 

費用は11万円(税込)です。

主催は、日本コンサルティング推進機構。

 

お申し込みは、こちらから

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ちなみに、21日は「成長戦略講座説明会」(参加費無料、オンライン)です。

詳細は、こちらから

 

皆さんのご参加をお待ちしています。

 

では、今日も一日頑張りましょう!