黒字化・資金繰り改善コンサルティング
「赤字になってしまった」
「なかなか黒字にならない」
この理由を経営者に聞くと、「売上が下がってしまったからです」
と答える経営者がほとんどです。
さらに、その売上が下がった理由を聞くと、おおよそ
①得意先の都合や事情によるもの
②営業力あるいは商品力、クレームなど自分の会社に問題があった
③景気や市場環境の影響
この3つに大別されます。
このような状況で経営者が行うこととしては、
もう一度売上を伸ばす
経費を削減する
仕入などの原価を減らそうとする
の3つしかありません。
私たちに相談に来られる経営者も、ここまでは自力で、あるいは税理士にアドバイスをもらいながら、あるいはコンサルタントに指導してもらいながら、それなりに取り組んできたという方が大半です。
しかし、
「売上を伸ばすことはできたが思うように利益が出ず、逆に資金繰りが苦しくなってしまった」
「売上も伸ばそうと取り組み、経費の削減も行ってきたが、やはり利益が思うようには増えず、資金繰りが苦しいまま」
というご相談も数多く聞きます。
なぜ、売上を伸ばしても利益が出ないのでしょうか。
なぜ、売上を伸ばしても資金繰りが苦しいままなのでしょうか。
それは、
そもそも売上を伸ばしても利益は増えるとは言えない
のです。
また、
売上と利益は、何の比例関係も直接の関係もない
からです。
ちなみに、売上と資金繰りも何の関係もありません。
こう言うと、「そんなことはないだろう?」と言われるかも知れません。
少なくとも、「売上が増えれば利益は増えるだろう」と言われると思います。
でも、事実は違います。
売上を増やしても利益は減ってしまう こともあります。
今から私がいうことを知らずに、過去に売上を伸ばし利益を増やしていたとすれば、その増えた利益はおそらくたまたまです。
会社経営で行う行動というものは、科学的でかつ論理的、再現性がなければなりません。
なぜなら、このときだけ成果が出たというような取り組みは何の役にも立たないからです。
会社は存続し続けることが使命です。
成果が出るか出ないかやってみないとわからないようなことでは会社と存続し続けられません。
ここから、会社が赤字から脱却するための、そして利益を増やすための、とても大事なことをお伝えします。
一つは、売上を伸ばしても利益が増えない理由。です。
この理由がわかれば、利益を増やすための方法がわかります。
もう一つは、損益計算書を使って対策を考えるから赤字から脱却できないということです。
使う資料が間違っているから、誰でも言うような3つの方法しか浮かばないのです。
この二つについてお話しする前にお伝えしたいことがあります。
赤字になる本当の原因のことです。
赤字になる本当の原因をわかっておかないと何度でも赤字に陥ってしまいます。
実は、赤字になるのは数値上は「売上が下がった」「原価が増えた」「経費が増えた」と言うことでしょう。
しかし、本当の理由は、全く別のところにあります。
赤字は経営戦略のない証
赤字になった原因というものは、本来、赤字になってしまうずっと前から、潜在的顕在的を問わず存在していたはずです。
為替の変動であっても、リーマンショックのようなことであったとしても、突然降ってわいたということではないのです。
会社を取り巻く環境には、さまざまなものがあります。
・為替
・株式
・政治
・金融機関
・市場や顧客
・同業者、競合
・技術開発、研究開発
・雇用動向
・ライフスタイル など
このようなことを外部環境と言いますが、外部環境以外に経営に影響を与えることとして内部環境があります。
・営業、販売
・商品力、商品競争力
・商品開発、商品企画
・生産、仕入
・組織
・企業文化
・財務
実は、売上の減少など赤字になる原因は、全てこれらのことに何らかのことが起きて、それが損益に表れているのです。
ここまでお伝えすればもうお分かりかも知れません。
会社が赤字になる原因は、これら外部環境と内部環境なのです。
そうして、これらの影響を最小限にする取り組みは一年でできることではなく、数年間かけて取り組んで来なければならないことばかりで、それをしなかったことが赤字の本当の原因なのです。
この「数年間かけて取り組んで来なければならなかったこと」
このことを経営戦略と呼びます。
赤字になってしまう会社は、この経営戦略を持っていなかったのです。
赤字にならないためには、あなたの会社としての経営戦略を持たなければなりません。
とても大事なことなので、もう一度言います。
赤字になってしまう原因が、
- ・景気に左右されたということであっても、
- ・得意先都合による売上の減少であっても、
- ・商品の品質が問題になって受注が減った場合であっても、
- ・営業活動に何らかの問題があった場合でも、
- ・商品や製品の開発が不十分だったということであっても、
- ・優秀な営業社員が退職をしたことで売上が下がったとしても、
赤字になる原因は、こうゆうことを起こさないための経営戦略(=取り組み)がなかったからなのです。
目先の原因に目を奪われてはいけません。
私のクライアントには、20数年以上赤字になったことのない会社があります。
・バブル崩壊後の不良債権処理。
・金融機関の再編
・リーマンショック
・2010年代からの円高
このようなことがあっても赤字に陥ることなく、淡々と黒字を計上し続けています。
業種も派手な業種ではありません。規模もそれほど大きくもありません。
社員も国立大学や有名私立出身の決して優秀な社員ばかりではありません。
それでも、この会社が黒字を続けている唯一の理由は、 確固たる経営戦略を持ち、それを実行していっているからです。
売上を伸ばしても利益が増えないその理由
会社が赤字から脱却するために、そして利益を増やすために、とても大事なことの一つ目をお伝えしたいと思います。
例を挙げてお話します。
上のような会社の場合、営業利益はいくらになると思いますか。
ア)120
イ)150
ウ)わからない
変動費がわからないと限界利益は計算できません。
限界利益までわかれば営業利益は簡単ですね。
いかがでしょうか。
このことは利益を増やすためにはとても重要なことですので、続きを知りたい方はこちらへ
損益計算書では黒字になるための答えを見つけられない
「損益計算書で営業利益が赤字になった」というとき、あなたはどのような方法で利益を増やそうとするでしょうか?
①売上を増やす
②原価を減らす(下げる)
③経費を減らす
書籍でもネットでも多くの会計専門家やコンサルタントもこのように言っています。
赤字企業が黒字になるためには、もっと重要なことがあります。
しかし、損益計算書を使うから、このような答えしか見いだせないのです。
会社を黒字にするための方法は、会社の状況を正しく表している資料を使えば見つけることができます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
利益は存在しない
「利益は存在しない」
利益を増やしたいという会社にこういうことをいうと叱られるかも知れません。
損益計算書で利益はどのように計算されるか。
損益計算書は、このように売上から原価を引き、販売管理費を引き、営業外収支を加減し、特別損益を加減し、法人税等を控除し、5つの利益を算出しています。
このように利益は引き算で算出されます。
利益は差額ということです。
ということは、「何を」「どれだけ」差引するかで利益が変わるということです。
棚卸在庫
減価償却
法人税率
未払というまだ支払ってもない費用 など
また、損益計算書の利益はお金を表していません。
利益が出ていても、その同じ額のお金は会社にはありません。
・資金残とも合っていない。
・引き算でしか算出されない。
・その引き算のなかには実体のないものがある。
利益なんていうものは存在しないのです。
表現は悪いですが、さじ加減で利益は変わります。減価償却や棚卸などによって、
また、税法が変わることで利益は変わります。
誤解を恐れずに言うと、この損益計算書は税金を計算するための資料であって、経営のものさしにもなりませんし、経営の方向性も問題点も教えてくれない、経営には役に立たない資料なのです。
このように差額で表示され、実態の全くない、存在さえもしない利益が赤字になっても黒字になっても、これだけでは経営の状況を正しく表していないということです。
だからといって、赤字になっても気にしなくていいというわけではありません。
先ほどの5つの利益で重要なものは、営業利益と当期利益です。
しかし、本当の正しい営業利益、本当の意味での本業の儲けを算出するためには、償却や棚卸が邪魔です。
会計の専門家は、償却も棚卸も必要だと言うかも知れません。
それでもやはり、会計では正しくても、経営では役に立たないのです。
会社経営では、営業利益や経常利益よりも重要な利益があります。
それは、「限界利益」です。
これを管理せずして経営はあり得ません。
限界利益を管理することで、利益が2倍3倍になった会社は数多くあります。
それだけではありません。現預金が500%増加した会社もあります。
この限界利益をどう考え、どう増やすかが、黒字化、利益倍増のカギになります。
この大事な限界利益については、こちらで詳しくまとめています。
限界利益で利益とお金を生み出す方法はこちら
黒字化、利益倍増のために
限界利益が重要であるということは、すでにリンクをお読みいただきわかっていただけたかと思います。
「限界利益を最大にする」にはどうすればいいでしょうか。
その限界利益の最大化に影響を与えるのが、売上と変動費です。
売上は、単価と数量に分解されます。
ちなみに、マーケティングでは、単価×数量×頻度に分解します。
変動費は、売上に比例する費用ではなく、数量に比例する費用のことをいいます。
この売上と変動費を構成している要素を図で表したのが下の図です。
の中の囲まれた部分をいかに改善するかということを、社員を巻き込んで検討していくことが限界利益を増やす方法の一つです。
それから、もう一つ限界利益を増やすための重要なポイントがあります。
それは、経営者が自分の経営知識と経営能力を伸ばすことです。
今まで3000社以上の経営を見てきて感じることは、経営者の能力以上に利益は出ないんだなということです。
経営者自身が経営に関する知識を身につけ能力を高めることが、最も利益を生みだすと、私は思っています。
営業マンでも、生産現場でもなく、大事な人は社長です。
経営知識とは経営に関する知識です。
市場環境を見抜く知識、戦略や商品力強化に関する知識のことです。
私の経験上、経営者にとっては最も弱い分野かも知れません。
しかし、限界利益を増やすためには、そんなことは言っていられません。
経営者としての知識と能力を高める努力を行っていただきたいと思います。
- 「あなたの会社を黒字にするための方法や手順を知りたい」
- 「早く黒字化したい」
- 「赤字体質からの脱却が課題」
- 「もっと黒字化」
を実現したい経営者の方はすぐに私どもにご相談ください。
いつでもご相談を受けています。
私どもでは、「黒字化」、「もっと黒字」を実現するだけでなく、経営者にとって必要な知識を学び、手法を学び、実践していただくためのコンサルティング実践会を用意しています。
一緒に利益を増やしていきましょう。